弁護士コラム

未分類

詐欺的情報商材被害について

2018年10月27日  中島俊明  未分類, 消費者問題 

去年頃から、「1日数分の作業で月に数百万円を稼ぐ」「○万円が○億円になる投資法」といったお金儲儲けのノウハウと称して、インターネット等で取引される詐欺的情報商材に関連する相談が増加して、当事務所にも多数の相談が寄せられています。

 

 

情報商材被害と呼ばれるものは大きく分けて3種類あります。
①副業に関するもの(アフィリエイト、ドロップシッピング、ネットオークションやフリマアプリを利用したもの等)
②投資に関するもの(値上がりする株の情報提供、FX等の自動売買ソフト、仮想通貨やバイナリ-オプションを利用したものなど)
③ギャンブルに関するもの(競馬必勝法、パチンコ必勝法)
これ以外に小数ではありますが、セミナー型の自己啓発といったタイプの被害類型もあります。

私の経験上、よく見る情報商材被害の特徴は下記とおりです。

①1万円~2万円前後の安価な情報商材を最初に購入させ、さらに高額な契約を勧めるケース。
②万全のサポートを謳いながら、実際にはサポートが受けられないケース。
③ダイレクトメールやSNSがきっかけに勧誘が始まるケース。SNS上で情報商材を宣伝するサクラがいることもある。
④商品内容が説明と異なり、実際には儲からない(これはほぼ全部の相談事例に共通)。
⑤返金保証を前面に出しているが、実際には理由をつけたり、複雑な返金条件が規約にあったりするなどして返金に応じないケース(私自身の事件処理としても、業者のいう返金保証が決め手となって解決した事例はありません。)。
⑥投資必勝法で複数の顧客に同一銘柄の買いを推奨することで株価を一時的に急騰させ、それを実績として信用させるケース。
⑦勧誘が強引で、欺瞞的な勧誘が行われるケース。
⑧クレジットカードを利用させるなどして手元資金がない人にも高額の契約をさせるケース。


誰でも簡単に儲かるノウハウやソフトなんてありません。

仮にあったとしても、インターネットで易々と手に入るようなものではありません。
「インターネット」、「投資」、「副業」といった言葉に甘い夢を抱いてはいけません。

お金のことが心配で、悩んでいる方は多いと思います。
それでもこれだけ詐欺的情報商材が蔓延している状況下で、情報商材に手を出すのは危険です。
怪しい儲け話・情報商材には手を出さないでください。


もし、騙されてしまった場合、相談するのが早ければ早いほど救済の可能性があります。

怪しい情報商材でクレジットカードを利用してしまったり、お金を振り込んでしまった場合には、
できるだけ早期に当事務所にご相談ください。

日弁連ライブ実務研修「2016改正割賦販売法の活用」について 

2018年1月9日  中島俊明  イベント, 未分類, 委員会活動, 消費者問題 

平成29年11月28日に日弁連で「2016改正割賦販売法の活用」についてと題して
「ライブ実務研修」という講演を行ってきました。

今回の講演では、元々平成28年12月に改正された割賦販売法と、
その成立後に定められる政省令の改正について講義を行うことになっていました。
ただ、実際には政省令の改正がこちらが想定していたものより遅く、
この講演のレジュメの締切時点ではパブリックコメントはなされていたものの、
最終的に確定した政省令は発表されていませんでした。
そこで、今回の講義ではパブリックコメントで示された政省令案をもとに講義をせざるえませんでした。
なお、講義の翌日11月29日に政省令の確定版が公表されたようです(少々ショックを受けました)。

このように少し残念な面があったり、当日緊張しすぎてしまったという反省はあるものの、
貴重な機会を与えて頂けたことに感謝しています。何より自分自身にとっても大きく勉強になりました。

今回の割賦販売法の改正では、
それまで法律上の規定のなかった決済代行業者に対する任意登録制や
クレジットカード番号等取扱契約締結事業者の加盟店調査義務等の重要な改正が含まれています。
消費者問題を取扱うのならば今回の改正法は押さえておかなければならないと思います。

講義の準備をしていて、割賦販売法という法律は極めて読みにくいと改めて実感しました。
用語が複雑で、枝番の条文が多数(35条の17の2等)、政省令への委任多数などなど。
従前の割賦販売法でも十分に読みにくかったのですが、
改正法で政省令もろとももっと複雑になってしまいました。
割賦販売法はクレジットを利用する消費者のための法律という側面があるのですが、
この読みにくさは消費者にも、それを利用する弁護士にも優しくありません。
今度改正するときはもう少し読みやすいものにしてほしいものです。

全国一斉 銀行カードローン問題ホットライン【8月1日(火)10時~16時】

2017年7月31日  中島俊明  イベント, 未分類, 委員会活動, 消費者問題 

2017年(平成29年)8月1日に、京都弁護士会館で、【全国一斉 銀行カードローン問題ホットライン】(=弁護士による電話無料相談)を開催されます。時間は10時~16時です。電話番号は0570-073-316です。

貸金業法の総量規制の対象外とされた銀行による消費者向け貸付け(銀行カードローン)が急激に増えています。最近、銀行による消費者向けの貸付けの問題はようやく社会的にも認識されつつあります。「銀行のカードローンは総量規制の対象外です」,「最大500万円 所得証明書一切不要」などと、貸金業法の適用対象外であることを強調した宣伝・広告がなされてい情報もあります。そして、銀行等が行う消費者向け貸付けが顧客にとって過剰な貸付けとなっているケースも判明しており、その影響からか2016年(平成28年)には、13年ぶりに自己破産申立件数が増加しています。

今回のホットラインは、このような事態を受けて、京都弁護士会を含む全国の弁護士会が一斉にホットライン(無料電話相談)を企画し、行カードローンの借入れについて問題のある方、心配のある方、その家族らなどからの相談に応じるとともに、実態を把握するために行うものです。

私の印象でも債務整理の相談を聞いていると銀行からの債務を抱えている人が多くなっています。それでいて,銀行カードローンには、ローンには消費者金融業者の保証がついていることが多く、この場合、消費者が滞納が一定程度に達すると消費者金融が銀行に代位弁済を行い、その後の消費者への取立業務をを消費者金融業者が行うことになっています。結局滞納すると消費者金融業者の取り立てに直面するのです。任意整理の場面でも受任通知を送るとすぐに消費者金融業者が代位弁済してきて、銀行ではなく消費者金融業者と交渉することが多々あります。銀行カードローン問題は結局のところ、消費者金融業者による多重債務問題が銀行に看板を付け替えただけで、根っこは同じなのだと考えています。

私もホットラインの担当をすることになっています。精一杯対応させて頂きますので、銀行カードローンの借り入れでお悩みの方、是非銀行カードローン問題ホットラインをご利用ください。

 

「新道消費者トラブル撃退作戦」に参加して

2017年7月13日  中島俊明  イベント, 未分類, 消費者問題 

少し時間が経過してしまいましたが,7月5日に京都弁護士会と東山区新道学区がコラボして行われた,「新道消費者トラブル撃退作戦」に参加しました。これは,高齢化が進む新道学区で京都弁護士会が作成した訪問取引お断りステッカーを全戸配布する取組です。

開始式では,新道学区自治会長や京都弁護士会会長の挨拶とともに,ステッカーについての説明が行われました。開始式後、数軒のお宅を訪問して舞妓さんからステッカーとステッカーについて説明が書かれたリーフレットが配布されました。私は,開始式の後ろの方で垂れ幕を持って立っていました。このイベントは,テレビやニュースで報道され,少しの間だけ身体の一部だけですが,垂れ幕を持っているところを映ることができました。

このイベントは,長い時間をかけて身近な先生達が尽力してきた結果実現したもので,無事に成功して良かったです。ありがいことに、最近,私もステッカー配布のために様々な場所で説明をさせていただく機会が増えてきています。このイベントを皮切りに訪問取引お断りステッカーが益々広めていきたいと思います。

サクラサイト全国連絡協議会(鹿児島大会)に参加しました。

2017年5月23日  中島俊明  未分類 

平成29年5月20日(土)にサクラサイト全国連絡協議会(鹿児島大会)が開催されました。

「サクラサイト被害対策全国協議会」は、出会い系サイトやサクラサイト被害に取り組む全国の有志の弁護士によって結成された団体です。年2回程度の全国各地で全国連絡協議会を行っています。

今回の全国連絡協議会(鹿児島大会)では「サクラサイト被害に様々な試み」という題で研究発表をさせて頂きました。業者側の目もあるので内容を公開することはできませんが、会場からも多数の質問が寄せられたり、懇親会などで「勉強になった。」との言葉を頂きました。発表した私も手応えを感じており、頑張って準備してよかったと感じています。今回の研究発表が少しでもサクラサイト被害の救済につながっていけば嬉しく思います。また、全国の弁護士の方々の活動報告などを聞くことができ、事件処理のヒントを掴むことができました。是非、次回の全国連絡協議会にも参加したいと思います。

鹿児島では、勉強だけでなく、黒豚のとんかつなどグルメも満喫しました。本当はラーメンも食べたかったのですが(美味しそうなラーメン屋を沢山見かけました。)、時間の都合で次回に持ち越しとなってしまいました。また、じっくり観光することはできませんでしたが、空港から会場へ移動する途中に目に映った鹿児島の町並みはとても上品で印象的でした。

クロレラチラシ配布差止等請求事件を振り返って(その1)

2017年4月1日  中島俊明  未分類, 消費者問題 


(健康食品のイメージ写真)

私も参加したサンクロレラ販売販売株式会社(以下、「サンクロレラ販売」と言います。)に
対する広告差止訴訟の最高裁判決が平成29年1月24日がなされました。
私にとっても一つの大きな事件になったので、忘れないうちにしっかりと検討したいと思います。

~事案の概要~
クロレラ療法研究会(以下、「クロレラ研究会」という。)は、
健康食品「クロレラ」を紹介するに、糖尿病等の疾病が改善したとする
体験談の掲載されたチラシ(以下、「研究会チラシ」と言います。)を配布していました。
そして、研究会チラシを見てクロレラ研究会に資料請求をすると
研究会とは別の組織であるはずのサンクロレラ販売から商品の資料が届く仕組みになっていました。
このような仕組みを用いて健康食品を販売しているサンクロレラ販売に対して、
適格消費者団体であるNPO法人京都消費者契約ネットワーク(以下、「KCCN」と言います。)が、
クロレラ研究会がサンクロレラ販売の一部門であり,
単なる健康食品に医薬品のような薬効があるように研究会チラシに表示するのは、
①景表法の優良誤認表示に該当する、
②または消費者契約法上の不実告知に該当する、
ことを理由に研究会チラシの配布の差止等を求めました
(改正前景表法10条1号、消費者契約法12条1項及び2項)。

~京都地方裁判所平成27年1月21日判決(第1審判決)~
第1審での争点は、
①研究会チラシを配布しているのは誰か(「事業者」の要件)、
②研究会チラシが「サンクロレラ販売の商品」のチラシといえるのか(「商品についての表示」の要件)、

③仮にそうだったとしても優良誤認表示または不実告知が認められるのか(優良誤認の要件)、
の3点です。

争点①について
サンクロレラは配布主体はクロレラ研究会であって自らは配布をしていないと主張しましたが、
京都地方裁判所は「クロレラ研究会は被告の会社組織の一部に過ぎないから,

研究会チラシを作成し配布したのは被告自身である。」として
クロレラ研究会をサンクロレラ販売の一部門と位置づけ、配布主体をサンクロレラ販売と認定しました。

争点②について
サンクロレラ販売は、チラシには「クロレラ」や「ウコギ」ということは書いてあっても、
サンクロレラ販売の商品名が記載されているわけではないと反論していました。
これに対して、裁判所は、顧客が必然的に被告商品の購入を勧誘されるという仕組みが取られている
ということを重視して、商品名の記載がなくても研究会チラシを「商品についての表示」と判断しました。

争点③について
サンクロレラ販売は,クロレラやウコギの効能効果が存在しないことを科学的に立証するのでなければ,
研究会チラシによる説明が優良誤認表示にあたるとは認められないと反論していました。
この点、裁判所は「医薬品としての承認を受けていない細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品につき,
医薬品的な効能効果があると表示するものであり,一般の消費者に対し,
細胞壁破砕クロレラ粒等の被告商品があたかも国により厳格に審査され
承認を受けて製造販売されている医薬品であるとの誤認を引き起こすおそれがある。
また,上記のような表示は,商品の宣伝広告として社会一般に許容される
誇張の限度を大きく踏み越えるものである。」として、優良誤認表示にあたると判断しました。

3つの争点につき以上のような判断を行い、裁判所はKCCNの差止請求を認めました。

この判決は、最高裁判決のインパクトに隠れてしまいがちですが、
①形式上他の組織が配布した広告でも実質的な広告の主体者の表示として認定される場合があること、
②商品名の具体的な表示がなくても景表法上の商品の表示に該当する場合があること、
③薬効を謳う健康食品の優良誤認性の判断枠組を示したこと、
を示したという意味で重要な判決であると思います。

とても明快な判決であり、個人的に気に入っている判決です。

この後、控訴審判決、最高裁判決についても述べていきたいと思います。

あなたのお話をじっくり聞かせてください。初回相談1時間無料。 無料相談 お問い合わせフォーム